TNFDフレームワークでは、マテリアルな自然関連課題(依存、インパクト、リスク、機会)を評価し、管理するために使用している「測定指標とターゲット」の開示を要求しています。「TNFD 自然関連財務情報開示-タスクフォースの提言_2023」(以下、「TNFD提言」)では、主要な指標(TNFD提言では「中核開示指標」)と追加的な指標(TNFD提言では「追加開示指標」)をそれぞれ別紙1および別紙2で例示し、開示を推奨しています。ただし、重要な指標が組織にとってマテリアルと特定されていない場合などは、その旨の説明を加えて開示しなくてよいとしています。
主要な指標は、すべての産業部門で一般的で、IPBESが特定した自然の変化の主な要因をカバーし、GBFなどのグローバルな政策目標と整合性があり、保険会社や行政など開示を受けた人が役立つ指標から選定されています。
この中から印刷産業でも適用可能な主要な指標は「汚染/汚染除去」に関連する指標で、解釈を加えて列記すると以下があります。
・排水量(水濁法、下水道法で指定された物質濃度も含む)
・廃棄物発生量(普通産業廃棄物、特別管理産業廃棄物、埋立量、リサイクル量など)
・使用・販売したプラスチック量(可能であればリサイクル可能な量)
・大気汚染物質(GHG7ガス、窒素酸化物、VOC)

一方、追加的な指標は、組織にとって重要な自然関連課題であることの理解を助けたり、管理していることを示したり、外部の人がその組織の課題を把握したりする際に有用である場合に、TNFD提言では開示を推奨しています。主要な指標と同様に解釈を加えて列記すると以下のようになります。
● 自然関連の依存とインパクト
・ 処理、再利用、リサイクルされる廃水の量(m3)。技術または工程の変更の結果、基準に対して削減した廃水量(m3)
・ 基準に対して削減した廃棄物量(トン)
・ 削減した光漏洩量(ルーメン)
・ 削減した騒音レベル(dB)
・ 水使用量(m3)
・ 削減、再利用またはリサイクルした水量(m3)
● 自然関連のリスクと機会 ⇒ なし
● 自然関連課題への対応
・ 廃棄物や製品の排出物フローにおいての再利用・リサイクル率(%)
・ 循環材料使用率(%)
