4.LEAPアプローチ

4-1. LEAPアプローチの概要

TNFDは、組織が管理すべき自然関連課題(依存、インパクト、リスク、機会)を特定するプロセスとして「LEAPアプローチ」の採用を推奨しています。このガイダンス「Guidance on the identification and assessment of nature related issues : the LEAP approach」は、2023年9月に公表されました。第2章で自然および自然関連の課題の理解を助けるための解説を行い、以降の章でLEAPアプローチの4つのフェーズ(Locate、Evaluate、Assess、Prepare)および本格的に始める前に実施を推奨するScopingフェーズを解説しています。

各フェーズのポイントは、以下のとおりです。

○ Scoping

ここの目的は、セクターや活動、バリューチェーン、地理的場所を把握し、組織にとってマテリアルな自然関連課題となりそうな活動の範囲を絞り込むことにあります。そして、社内の承認を得るために、スケージュール、社内外の関係者、評価に必要な外部データベース、予算などをまとめることを推奨しています。

このフェーズは、原材料のサプライチェーンが数百あったり、原材料の調達先が数千あったりするグローバルにビジネスを展開する食品会社や飲料会社、また、世界の経済活動のほとんどをカバーするグローバルな金融機関では有効です。しかし、拠点数が数か所であったり、調達先が限られたりするような企業は実施が不要です。

○ Locateフェーズ(自然との接点の発見)

Locateフェーズの分析では、セクター、バリューチェーン、地理的位置の視点から組織の活動を把握し、さらに直接操業の場所を把握します(L1)。次に、IBAT、ENCOREやSBTN’s Materiality Screening Tool、SBTN High Impact Commodity List、WWF Biodiversity Risk Filterなどのツールを使用して、依存とインパクトをスクリーニングします(L2)。そして、潜在的に中程度および高い依存とインパクトがあるセクターや、バリューチェーン、直接操業を特定し、自然(バイオーム)との関りを特定します(L3)。さらに、要注意地域との関連も特定します(L4)。

○ Evaluateフェーズ(依存とインパクトの診断)

このフェーズでは、ビジネス活動とプロセスに関連付けられる環境資産、生態系サービスおよびインパクト要因を特定します(E1)、外部要因も考慮してインパクト要因がもたらす自然の状態の変化、さらに生態系サービスの変化を特定します(E2)、依存とインパクトを測定(定量化)します(E3)。そして、情報開示するためにインパクトのリストを作成します(E4)。

○ Assessフェーズ(リスクと機会の評価)

Evaluateフェーズで特定した自然への依存とインパクトと自然や生態系サービスの変化、組織の対応から自然関係のリスクおよび機会を特定します(A1)。現在組織が行っているリスクと機会の管理プロセスと調整します(A2)。基準に基づいてリスクと機会の優先順位を決定します(A3)。そして、財務的影響を評価します(A4)。

○ Prepareフェーズ(対応し報告するための準備)

評価結果が戦略、資源配分およびレビューの頻度を決定し(P1)、進捗を管理する指標を決め目標を設定し、監視、報告、見直しのプロセスを決定します(P2)。TNFDが推奨する枠組みに沿って(P3)、情報を開示します(P4)。

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