2023年度のGHG排出量および吸収量が公表されました。 2023年度のGHG排出・吸収量は、約10億1,700万トン(CO2換算)で、2022年度比4.2%(約4,490万トン)の減少、2013年度比では27.1%(約3億7,810万トン)の減少し、過去最低となりました。排出量減少の主な要因として、電源の脱炭素化(電源構成に占める再生可能エネルギーと原子力の合計割合が3割超え)や製造業の国内生産活動の減少によるエネルギー消費量の減少などを挙げています。
工場などの産業部門に関しては、2023年度は3億4,000万トンで、2022年度比4.0%(1,400万トン)の減少、2013年度比では26.7%(1億2,380万トン)減少です。2022年度からの減少要因として、電力のCO2排出原単位(電力消費量当たりのCO2排出量、2022年度0.437、2023年度0.421)が改善したこと、製造業における国内生産活動が減少したことを挙げています。
代替フロンなど4ガス(HFCs、PFCs、SF6およびNF3)の2023年の排出量は約3,700万トンで、2022年比3.9%(約150万トン)の減少です。
森林やブルーカーボンなどの吸収源対策については、2023年度の吸収量は前年度とほぼ同量の約5,370万トン(2022年度は約5,380万トン)で、2013年度からの削減量(約3億7,810万トン)の14.2%に相当する吸収量を確保したと報告しています。 CO2吸収型コンクリートなどのCCU技術については、カーボフィクスセメントを新たに追加し、2023年度の吸収量(CO2固定量)は約121トン(2022年度は約27トン)です。
この結果に対して、中小企業の対策が急務と新聞では報道されていますが、環境省の報告ではこの点の指摘はありません。