4.継続的改善

4.継続的に改善しよう!

ISOマネジメント規格では「継続的改善」が要求事項に含まれています。ISO14001では、当初は”システム”の継続的改善でしたが、2015年改訂で”環境パフォーマンス”の向上に重点が移りました。

”環境パフォーマンス”の向上とは、例えば、エネルギー使用量や廃棄物排出量を削減し続けることではありません。温暖化対策としてエネルギー使用量削減を行っているならば現在では不十分であり、脱化石資源が要求され、再生可能エネルギーへ移行した方が環境パフォーマンスは向上します。廃棄物削減でも、資源循環やプラスチック問題を視野に入れた取組みが求められています。

”環境パフォーマンス”の向上は、マイナスの削減ではなく、プラス効果の増進も含まれています。”量”だけではなく、”質”の向上の視点も必要です。

「 継続的改善の機会」に関して、ISO14001の解説書物では以下のように解説しています。

「継続的」(continual)とは、一定の期間にわたって続くことで、連続的(continuous)とは異なり、途中に中断が入ってもよいというニュアンスの言葉です。「機会」とは、良いタイミング、チャンス、きっかけを意味しています。「継続的改善の機会」とは、環境パフォーマンスの向上につながるような、計画した処置やシステムの変更につながるきっかけと考えてください。不適合も、それをきっかけに改善できるので、是正処置も改善の機会といえます。また、コミュニケーションから良いアイデアが出るのであれば、それも改善の機会です。

改善提案も、マネジメントレビューにおける「継続的改善の機会」の一つと考えられます。マネジメントレビューのインプットとして改善の提案を聞き、アウトプットとして提案事項の採否を含めて具体的な指示を出すと考えてください。例えば、稼働台数を減らして環境負荷を下げる提案や、新商品の発売、クールビズを早めて環境パフォーマンスを改善する提案などがあり得るでしょう。


「2015年版対応 ISO14001規格のここがわからない」(日科技連)

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