2.環境負荷

2.環境負荷を知ろう!

環境マネジメントのポイントの2つ目が「環境負荷の把握」です。ここでは、「環境負荷」を「環境影響を定量的に示したもの」と扱います。

ISO14001では、「環境側面(Environnmetal Aspect)」という概念を取り入れています。環境影響は結果ですので、その原因系である箇所、つまり、環境側面をコントロールしようという考え方です。つまり、事業活動と環境影響との繋がりを把握し、影響があれば管理対象とします。影響は、悪影響のみならず良い影響も含めます。また、製品やサービスについても同様に把握します。

環境影響は、近隣環境(騒音、振動、悪臭など)、地域環境(大気、水質、土壌、地盤沈下、廃棄物など)、および地球環境(気候変動、資源、生物多様性、生態系、化学物質など)の範囲を考慮します。

印刷工程と環境影響を整理してみたのが、以下の図です。

ここから、以下のような環境負荷があげられます。

日本では、1970年代のオイルショックを機に『省エネ法』が制定され、エネルギー使用の合理化が着目されました。1990年代では最終処分場のひっ迫から『資源有効利用法』が制定され、廃物排出量、リサイクル率、最終処分量が着目されました。最近では、気候変動対策から温室効果ガス(GHG)排出量が注目され、代表的なGHGはCO2です。また、VOC排出規制導入の際は印刷業界は削減対象となり、2012年の印刷職場の胆管がん発生以降は化学物質の厳格な管理が必要になっています。

エネルギー使用量と廃棄物量はコストに直結する項目であり、帳票類で集計できる項目です。グラビア印刷ではVOCは『PRTR法』や地方自治体のの報告対象となる項目であり、数値把握はできている項目です。

以上の観点から、以下の項目を最低限把握して、監視対象として、削減や管理を行うことが望まれます。

なお、エコアクション21では以下の項目を把握対象としています。把握必須項目に水使用量があります。水問題はグローバル的な課題であり、大企業では削減目標を設定し、その推移を公開することは不可欠な項目になっています。しかし、印刷業界では、水源は水道水であり、水使用量が少ないため、監視・管理対象するまではないと考えます。

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