○ 環境関連法の改正
化審法施行令でPFOS関連の改正がありました。
○ 気候変動関連
世界の平気気温は、6月時点でその月としての記録を13か月連続で更新続け、8月は2023年と並ぶ過去最高の平均気温を記録しました。日本も同様で、気象庁は、今年の夏の平均気温は過去最高タイであるものの猛暑日の観測は最多で、北日本ほど平年より暑かったと発表しています。
中小・中堅企業から排出されるGHGは約2.5億トンで、日本の排出量の約20%を占めると推計され、2050年カーボンニュートラル達成に向けた課題のひとつです。地域金融機関は中小・中堅企業を支援する役割として重要視され、環境省は3月29日にガイダンスと取組事例集を公表し、6月に公表された第六次環境基本計画でもその役割に言及しています。経済産業省は7月に、「省エネ・地域パートナーシップ」を立ち上げ、約200超の地域金融機関および省エネ支援機関などがパートナー機関として連携し、中小企業等の省エネ取組を支援する体制を構築しました。中小企業はパートナー機関から、省エネ相談や政府の省エネ支援策の情報を得ることができます。
また、東京都や浜松市も中小企業向けの省エネ支援策を公表しています。
○ 資源循環
「第5次循環型社会形成推進基本計画」が8月2日に閣議決定され、公表されました。(解説はこちら)
プラスチック分解技術に関する新聞発表が目立ちました。カルボキシ化ポリエチレンがセリウム触媒共存下で可視光照射により分解される発見(東大)、微生物を練り込むことにより土中で自己分解を始めるプラスチック(米カリフォルニア大)、生分解性プラスチックを短期間で分解する微生物の発見(コムハム/北海道札幌市)、海中でプラスチックを分解する微生物を誘引する物質を混ぜたプラスチック(群馬大学と海洋研究開発機構)などです。
○ 自然共生
生物多様性を含めた自然共生活動を行うにあたって成果を把握するためには指標の設定が不可欠です。気候変動ではGHG排出量というグローバルで共通の指標がありますが、自然共生の分野では確立されていません。このため、独自の指標を設定した活動が発表されています。シンクネーチャーは、独自に構築した生物多様性ビッグデータと樹木と鳥・蝶との網羅的まとめから生物多様性効果を数値化・可視化する手法が注目されています。また、日本自然保護協会は、LEAPアプローチやIUCNの「NbS世界標準」と整合性を確保して生物多様性を客観的に評価する6つの手法を発表しました。
2023年9月18日にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)が企業や金融機関が、自然資本や生物多様性に関するリスクや機会を適切に評価・開示するためのフレームワークを発表したことから、支援サービスが始まっています。環境省が今年度に自然関連財務情報開示支援モデル事業を行うほか、民間でもコンサルタント事業開始が発表されています。
○ その他
企業のSDGs推進を産官学連携で支援するために2024年3月、一般社団法人日本サステナブルビジネス機構(以下「JSBO」)が設立され、6月から企業向けのSDGs認証制度「サステナブルビジネス認証制度」(JSB認証)を開始すると公表されました。理事長は蟹江憲史教授(慶應義塾⼤学⼤学院政策・メディア研究科)、幹事として内閣府、環境省、中小企業庁が参加し、民間の幹事には大川印刷株式会社社長が参加しています。4社を対象に認証審査のPoC(概念実証)を実施し、2024年度中に100社の認証を予定しています。
金融庁や国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)で新しい情報はありませんでした。