はじめに

大手印刷会社で環境問題に長年携わり、退職する前の数年間の業界団体の関わりから、印刷会社と接して、そこで感じたことは、「もっと楽をしてほしい」ということです。

例えば、法令対応です。環境に関連する法令は数多くあります。これをすべて理解して、適用を受ける法律を把握するだけでの時間と労力が必要です。しかし、適用を受けるポイントさえ知っていれば、理解すべき法律を絞ることができます。例えば、大気汚染防止法でいえば、ボイラーやVOC乾燥炉などが法で特定された施設がなければ法の適用を受けません。したがって、届出とか測定要件、資格者選任などの理解は必須ではなくなります。一方で、事業活動でも廃棄物の発生は避けられず、労働環境改善のために空調機器の設置は不可欠です。したがって、廃棄物処理法やフロン排出抑制法はすべての事業者が適用を受ける法律で、理解が必須です。

気候変動、生態系保全そして汚染、いわゆるトリプル・プラネタリー・クライシスに対して事業者には情報開示が求められています。その内容は、毎年のように更新され、高度化・専門化しています。グローバルな規模で事業活動を行っている企業は対応は必須であり、投資家の理解が得られるよう実務レベルまで把握が必要です。一方で、日本国内や地域社会を市場として事業活動を行っている中小企業にとっては、実務レベルの理解は不要であるものの、ある程度の内容は把握していた方が良いです。しかし、時間と労力が必要です。

情報は散在しています。必要な情報を得るにも時間と労力が必要です。

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